50.ロードス島戦記(SFC)レビュー

ロードス島戦記画像1

発売日:1995年12月22日

開発元:ハミングバードソフト

発売元:角川書店

希望小売価格:11,664円(税込)

個人的ランク:B

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大まかなストーリー

ロードスという島がある。
アレクラスト大陸の南方に浮かぶその辺境の島は大陸の住人から「呪われた島」と呼ばれていた…

いにしえの時代ロードスが大陸の一部だった頃、この地で「光」と「闇」の神々が最後の戦いを繰り広げた。

神をも殺す古竜を使役し多くの神々が傷つき倒れていった…
そしてこの戦いは大地母神マーファと破壊の女神カーディスの相打ちによって幕を閉じた。
その滅びの中でマーファはカーディスの邪気が大陸に広がることを恐れ大地を割った。
「呪われた島」ロードスの誕生である。
その戦いから数千年後…ロードスは滅亡の危機に瀕していた。
古代の王国の遺跡に封じこめられていた魔神達が解放されたのだ。
魔神の前に為すすべのないロードスの民は最後の希望を100人の勇者に託した。
勇者達はモスの山中にある世界で最も深き迷宮に挑んだ。
その奥底で魔神達を操る魔神王を倒すために…

魔神達の激しい抵抗をくぐり抜け魔神王の玉座までたどり着いたときには100人の勇者達はわずか6名となってしまっていた。
6名の勇者達は1人を失うものの魔神王の剣を奪いその剣で魔神王にとどめをさした。
魔神戦争は終結し人々は彼らを6英雄と称えた。

ロードス島戦記画像2

本作の見所

・原作のロードス島戦記の雰囲気をRPGとしておおいに楽しむことが出来る(原作を知らないので多分)。

・突拍子もなく破天荒で意外性のあるストーリー展開。章で区切られた構成になっていて、それぞれ主人公が違うので面白い。

・あまり高くない難易度でサクサクと進める。

・チェス板のようなマス目のシミュレーション要素のある独特な戦闘システム。

◆ロードス島戦記の総評◆

ロードス島戦記は名前こそ知っているものの、一度も触れたことがない作品だった。
それをSFCのゲームという形で初めて触れたのが本作。
正直、ゲーム性はお粗末な方で、操作性は悪め、ゲームバランスもやや悪め。
ただそれなりにRPGとしてはちゃんと成立していて、何より突出して面白いのがストーリー。
原作が元だろうが、突拍子がなく『これは面白い!』と思える展開で、序盤から心を奪われる。
> ドラクエ4のように章で分かれて構成されていて、それぞれ違う主人公で、最後の章ですべての人間が登場する。
原作を無理矢理ゲームにしたような荒々しさは感じるが、ストーリーは面白いだけに惜しさや歯がゆさを感じる作でもあった。
原作を知る人はこれをどう感じるのだろうか。

◆ロードス島戦記の音楽◆

この時代ならではの機械的なサウンドだが、わりとメロディアスで良い曲が多い。
ツクールっぽい感じもあるが…
Boss Battle、ダンジョン専用戦闘曲のBattle 2、お城の音楽のStrongholdなどが好きだった曲。
Loss、村の音楽のVillage、町の音楽のCityなどのどこか哀愁漂う寂しげな曲も多かったのが特徴的だったように思う。

◆ロードス島戦記のシステム◆

まず珍しいのが、ダンジョンがなぜかクォータービューであり、
さらに戦闘が5×3のマス目の中でキャラクターを動かして戦う形式で、若干シミュレーション要素が入っているところ。
正直、物珍しさのみであまり効果的な演出だったとは思えなかったが…
(それどころかダンジョンは曲がりたいところで曲がれなかったり、ストレスが多かった)
敵グループには必ずリーダーがいて(誰がリーダーかは倒すまで明かされない)、リーダーを倒すと残党が残っていても戦闘は終了する。
打倒が困難(または面倒くさい)場合は初めからリーダー狙いで攻撃を仕掛ける戦略を立てたりする。
エンカウント率は高めで、ダンジョンは脱出用アイテムがあるので助かったものの結構なストレス度合いだった。

ただ、難易度は全般的にそう高くはないので、全滅してやり直しということはほとんど無かった。

ストーリーは章で分かれて構成されていて、それぞれ違う主人公なので、前述したようにドラクエ4を彷彿とさせる。
剣と魔法で戦い、経験値やお金を得て、武器や道具を購入して強化し、物語を進めるという一連の形式はオーソドックスなRPG。


※これ以降、ネタバレを少し含みますのでご注意下さい。

◆ロードス島戦記の展開◆

ゲーム開始直後、怪しい風体の人物が現れたと思ったら、まさかの自分が操作する主人公カーラ。

しかも、物語開始直後に遺跡荒らしに襲われることになるわけだけど、
主人公が貧弱過ぎて撃退できず、いきなり殺されて死亡。

な…… 何だこのゲームは!

開始直後に主人公が殺されるゲームとか斬新過ぎる……と思ったけど
さすがにそれでゲームオーバーというわけではなくて、
何と、遺跡荒らしに乗り移って自分自身が襲ってきた男の身体になる、という展開だった。

おおおお…… これまた斬新!!

どうやらこの主人公は殺されてもその相手に乗り移ることが出来るみたいで、
つまり『自分を殺すことが出来る→自分より強い』ということになるわけだから、
特に経験値稼ぎとかしなくても、より強い敵と戦えば自分が強化されるわけで。

これって絶対死なないし、ほっといても強くなれるし、なんてチートな存在…!
と思ったら普通の戦闘で戦ってやられたら、ちゃんと死ぬらしい……

乗り移れる存在はさすがに決まっているのね。

しかし目を付けられても乗り移ったらその人間になれるわけで、
素性は絶対バレないし(それどころか本当の自分は一体何だったんだろうか)、
驚異的な存在であることには違いない……

こんなやつを主人公として動かすなんて、
この後ストーリーは一体どう展開されていくんだろう??と、凄く興味津々のまま進めていた。

倒されては乗り移り……を繰り返していたら、いつの間にかレベルが90までに。

えっ……序盤でいきなりレベルがカンストしそうなんだけど……

と思った矢先、ちょっと大きな戦闘を超えたら1章が終了。

2章が始まったら、全然違う場所の全然違う人間が主人公となって物語が始まった。

なるほど、こういうドラクエ4形式なのか!!

2章の主人公ベルドも曰くつきで、
何と初期装備の武器が呪われていて外せない上に、ただ歩いているだけでも体力が無くなっていく…!!

いやほんと何というゲームだ、何から何まで斬新。

敵を倒せば敵の生命力を吸収して体力が回復できるんだけど、
つまりは生きるためには敵のエナジーを吸収し続けないとならないという……ドラキュラか。

いや、ある意味人間も同じかな。

この男のシナリオは、神殿に入るという目的は分かっているのに、
その神殿が鍵がかかっていて入れず、しばらくあちらこちらを彷徨って大変だったのを覚えている。
(しかもそうこうしているうちにどんどん体力は減っていくし)

物語を進めていくと仲間が増えてきて、ようやくRPGらしくなってきたな…と思ったあたりで、

何やら大きな戦いがありそうな流れに。

うーむ、これって多分2章のボスなんだろうけど、何か章がそれぞれ短めな気も?

そのボス、邪龍ナースは身体がでかすぎて画面に足と頭しか入らず……
戦闘画面も5×3のマスの枠から余裕ではみ出てて、
こんなのどう倒すの?と思ったら案の定攻撃がほとんど通じない。

まあ体格差だけ見ても猫と人間が戦うようなもんだもんなあ。

でも剣に力がみなぎり、他の人間は使い物にならないのでベルドだけの力で打破。

うーむ、猫が人間を(違)

ひとまずここまで進めてみてこのゲームの印象は、
お話の設定自体は面白いものの、わりとドラマチックという感じではなく淡々とした会話の流れ。

特別会話に重きが置かれていないのは昔のゲームという感じかなあ。

結構サクサクとテンポよく進み、レベルもポンポン上がっていくけど
逆を言うとレベルが上がるまでの低い段階の戦闘が厳しい。

あと戦闘でいきなり強力な武具が手に入ったり、ゲームバランスは結構……

ただ戦闘自体はわりと面白く、リーダーを一番後ろの黒いマスに押し込むと
敵を倒してなくても戦闘を終わらせられる上に経験値が倍貰えるので、
いかにリーダーをそこに押し込むかを考えるのが楽しい。

フィールドとダンジョンの戦闘の音楽が違うのも面白く、ボクと魔王を思い起こすけど、
エンカウント率が高い上にダンジョンのクォータービューの操作が困難で、
曲がりたい角を曲がれずに通り過ぎてしまうことがしばしば。

あとは、顔グラが何となくみんなシュール。

ロードス島戦記画像3

3章は、ファーンという騎士が主人公のようだ。

今までの中では一番顔グラが主人公っぽいかな(というより一章と二章の主人公が邪悪過ぎただけだけど)。

性格とか設定も一番まとも?で、
誰かに乗り移れるチート仕様でもないし、徐々に体力が減る過酷仕様でもない。

ただ強さはベルドクラスかな、こいつも結構最初から強い。

話としては、人から与えられた任務を順を追ってこなしていくというオーソドックスな内容で、
一番普通のRPGっぽい感じだったかな。

その分印象としては弱かったけど……

ベルドがカオスならファーンはロウな印象だけど、優しげな人柄のせいかファーンの方が好感が持てる。

話を進めていくと2章と同様仲間が増えていって4人にまでなり、特に苦戦するような場もなく3章も終えられた。

4章はパーンという男が主人公。

レベルが1で、今までやってきた主人公達からしたら激ヨワ

だけど優男かつ好青年っぽい顔グラを見て思った。

こいつだ。

こいつが絶対真の主人公だ。

一番主人公ヅラをしているし!!(少女漫画に出てくるヒーローみたいな澄んだ瞳をしているし)

なるほど、ドラクエ4は5章構成だったけど本作は4章構成なのかな。

1~3章の何十年後かの話なので、1~3章は前置き的な話で、これからが言わば本編みたいな感じなのか。

通りで1~3章は主人公が強く、1章1章が短く作られていたわけだ。

最初からエトという親友っぽいやつと一緒に戦えて、
パーンは剣士でエトは僧侶みたいな立ち位置なのでパーティーのバランスはいいんだけど、
エトもこれまたひ弱なのでゴブリン相手ですら簡単には倒せない。

スレインというレベル7の魔術師が先生みたいな立ち位置に見えるんだけど、
レベル的には大したことないのにパーンとエトがひ弱過ぎて偉大に見えてしまう不思議…!

その後、ドワーフ族のギムに、ハイエルフのディードリット、盗賊のウッドチャックが仲間になり、
パーティーの人数は過去最大の6人に!!

…なったのはいいんだけど、人が多すぎて戦闘画面が渋滞状態
後列の人間が戦闘に参加できなかったりするんだが…

これ5×3マスじゃ足りないぞ。

戦士タイプや魔法使いタイプに僧侶に勇者に盗賊に、…ディードリットは魔法剣士タイプ?

揃ってみればバランスの良いパーティーで、多種族が入り混じる王道ファンタジーな構成になった。

やっぱりドワーフとエルフって仲が悪いのね……

ところで、アラニアの首都アランでひとつとんでもない事件が起こった。

何気なく街の中を探索していて、何だか意味ありげな街の隅っこを調べようとした途端……

急に画面がパッと切り替わり、ワケの分からない会話シーンが。

んんんん??!!

何だコレ?!

何だか話の運び的に、これエンディングじゃないのか……

調べてみて驚愕の事実に気付いた。

これは、バグだった。

たまたま調べたところで、たまたまバグ技が発動してしまった……

いやいや、これは最悪だ!!

まだ物語の途中なのにエンディングを見せられるとか、しかもゲーム中に……
とんでもないネタバレがあったもんだ。

昔のゲームとはいえ、これはかなりモチベーションがダウンしてしまった。

気を取り直してゲームを進めていくと、どうやらカーラがラスボスらしいことに気付く。
(まあすでに見たエンディングでそういう感じだったのは知っていたけども(怒))

やっぱりあいつがラスボスか……

確かにチートな存在だったけど、1章で動かした主人公がラスボスとか、最後まで斬新な設定だなあ。

一回イベントでカーラと戦うことがあったんだけど、
全滅確定イベントで、あっけなくやられてしまった……まあ、相手はレベル90以上だもんな。

1~3章は行ける場所が限られていたんだけど、
4章は本編だけあって色んな地域に行くことが出来る。

行ける場所が広すぎて、次行く場所がどこなのか分からなかったことがしばしばあった。

あと、恋愛っぽい要素はあるのだろうかと思ったら、ちゃっかりしっかり押さえるところは押さえてあった。

パーンとディードリット、あとエトとフィアンナ姫。

人間とエルフ、プリーストと姫というどちらも異質な組み合わせだけど、
何だかどちらも乱暴にくっつけた感を感じた……

ディードリットは最初からパーンに興味を持った感じではあったけど、
特別男として惹かれさせるようなイベントは無かったし、
『いつの間にこいつらそんな距離感になってたの?』という感じだったけど、これは描写不足に思えたなあ。

小説版ではしっかりとそのあたりは描かれているのだろうか。

ラストの方でパーン、エト、ディードリット、ギム、スレイン、ウッドチャック、
それぞれの想いが描かれたシーンがあって、それは結構印象的な良いイベントだと思ったけども。
(会話は変にクサくてグッとくるどころか冷めた目で見てしまったが…)

その後、ラストダンジョンにあたる遺跡を攻略し、カーラの館にていよいよラストバトルへ。
(ゲーム開始地点がゲーム終了地点というのも凄く趣深い)

さらっと書いたが遺跡はかなりのディープなダンジョンで、
アイテムの所持数制限の関係で一度詰まってしまったこともあった。

当時はそこがラスダンという自覚は無かったけど、
さすがにラストダンジョンだけあってあそこはキツかったなあ。

カーラとのラストバトルもかなり厳しく、
最後はパーンと回復役のエトしか残っていなく、辛勝という感じだった。

でも終わってみると結構あっさりだったな、
続きがありそうな感じがムンムンとしていたけど……

総じて、序盤は意外性の連続で一風変わった展開のRPG、
後半はオーソドックスなRPGへと切り替わり、
ややラストの方は気力の問題なのか容量の問題なのか、尻すぼみ感を感じた締め方だった。

古臭い昔ながらのゲームという感じではあったけど、
それなりにゲームとして面白かったと思う。

それだけに惜しい部分も色々と感じられたかな……
もっと人間の個性を掘り下げて欲しかったし、リメイクしたらかなり良いものが出来そうな気がする。
(設定自体古臭いといえば古臭いんだけども)

ところでウッドチャックのその後はどうなったんだろうか。


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