53.真・女神転生4 FINAL(3DS)レビュー

真・女神転生4 FINAL画像1

発売日:2016年2月10日

開発・発売元:アトラス

希望小売価格:6,480円(税別)

個人的ランク:A+

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大まかなストーリー

203X年、閉鎖空間・東京。

東のミカド国から降りてきたサムライ衆の一人、フリンの活躍によって
八部連合阿修羅会、ガイア教団といった東京を支配していた勢力を壊滅し、フリンは「希望の星」と呼ばれるようになっていた。

しかし、同時期に悪魔王ルシファーと大天使メルカバーが現世に降臨し、東京を舞台に最終戦争を繰り広げようとしていた。

ある日、最終戦争に立ち向かうフリンをバックアップする人外ハンター商会の見習いである主人公は、
ハンターの師であるニッカリと共に定期の食料調達に向かう途中でルシファーの配下であるアドラメレクに襲撃され命を落としてしまう。

黄泉の国を彷徨う魂のひとつとなった主人公は黄泉平坂で魔神ダグザに呼びかけられ、
ダグザの「神殺し」となる契約と引き換えに黄泉帰る事を選択する。

真・女神転生4 FINAL画像2

本作の見所

・前作の真・女神転生4の続編かつ完全新作であり、違う主人公で新しいストーリーを楽しめる。

・前作で不満が多かった点が改良され、非常に遊びやすいUIへと変貌を遂げている。

・仲間が多くなってより人間模様を楽しめるようになり、仲間たちによるアシストアタックという新システムも追加された。

・悪魔も新規描き下ろしが行われ、より親しみやすいグラフィックへと変貌を遂げている。

◆真・女神転生4 FINALの総評◆

ニュートラル絆ルートでクリアしたが…
相当、まとまりの良い作品。
一言で表すならば、そういう印象の作だった。
この完成度の高さは今後そうそう現れないのではなかろうか……
真・女神転生4の続編にあたるのだが、完成度はこちらの方が遥かに高く感じられる。

キャラクター同士の会話が多く、深みのあるストーリー仕立てになっているところは旧作と大きく違うところだが、
それでいて女神転生らしさを纏い、快適なシステム周りも実現している。
女神転生シリーズで泣けたのは今作が初めてだったような気もするが、
ドラマチックな展開も相まって、中だるみすることなく一気に最後まで進められた作だった。

反面、ドラマチックなストーリー仕立ての性質上どうしようもない気もするが、旧作のような無骨で殺伐とした雰囲気は無い。
とはいえ、新しい女神転生シリーズの中ではストレンジジャーニーに並んで大好きな一作となった。

◆真・女神転生4 FINALの音楽◆

パッと思い起こすのは、どこか気の抜けたホームのような感覚の錦糸町の音楽
後々の方になると緊迫感ある音楽ばかりになってくるので、尚更この曲が映えるようになってくる。
カシュッ・ゴキュッという飲食音が今にも聞こえてきそうな酒場の音楽もいい。
戦闘曲で言えば、『Battle-f4 多神連合』がハードロックで壮大な戦いを感じられるテーマで良かった(特に後半部分)。
それとラスボスのテーマ『Battle-f8 神に仇成すもの』も。
あと、何故かタイトル画面の音楽
他のゲームを起動する時もこの音楽がチラッと頭に流れてくるほど、特徴的という感じではないが頭に残る曲だった。

全般的に『溶け込むBGM』という印象で、どれも状況や環境にマッチしていて展開に没入させるという意味では良曲ばかり。
ただ、心に刻み込むような印象深さという点では弱く、聞けば『ああ、そういやこんな曲だったな』と思い返すものばかりだった。

◆真・女神転生4 FINALのシステム◆

基本的には真・女神転生4と同じくFPSビューではなくTPSビュー形式で、シンボルエンカウント。
敵を武器で斬り付けるアクションもお馴染みだが、前作より斬りやすくなった。
敵の弱点を突き、味方の弱点を突かれないようにして戦うプレスターンバトル形式は前作と同様。
難易度の高さは相変わらずだが、今作では行き詰まるくらいの難所は無く、ある程度じっくり練り込めば突破できるくらいの難易度。

前作と大きく異なるところは、初めから東京が舞台で、多神連合という第3の勢力が現れ出したストーリー部分。
キャラクター同士の会話もより密になり、パートナー達が戦闘でバトルを有利に進めてくれるアシストアタックというシステムも新たに追加された。
その他、舞台設定情報が分かるハンターメモや、パートナー達の日記のようなものが読めるパートナートピックが追加されたり、
難易度がいつでも調整できたり、目的地が赤い旗で表示されて分かりやすくなったり、マップに地名が表示されるようになったり、
細かい部分で様々な追加点や修正点が施されて、大分操作面で快適にプレイできるようになった。
前作で不評だったグラフィック面も改良され、悪魔のビジュアルもブラッシュアップが行われた。

ただ、個人的な不満点を挙げると、今作はカオスルートやロウルートにあまり魅力を感じない上に、ニュートラルルートが凄く行きやすい。
選択肢の答え方で何とかカオスとロウのどちらにも偏らず済むようなバランス取りの難しさが欲しかったし、
選択肢自体もどれも正解に思えるような悩ませる内容が欲しかった。


※これ以降、ネタバレを少し含みますのでご注意下さい。

◆真・女神転生4 FINALの展開◆

今回の物語の開始地点は錦糸町
おお、前作は東京どころか地上ですらない変な場所からのスタートだったけど、
今作は初っ端東京から始められるのね。

主人公は前作の主人公フリンとは全く異なるナナシという名の少年のようだが(随分エグい設定だな)、名前は変えることも可能なようだ。

ただ、キャラクターにボイスが入っている設定上、呼び名はどんな名前にしていようがナナシのままのよう。

ヒロインはアサヒちゃんかな?

可愛くてツカミはOK!

主人公もアサヒもまだあどけない感じの中高生くらいの年齢のようで、
悪魔退治や人助けをする人外ハンターというものに憧れているらしい。

まずはニッカリマナブという先輩?と行動して、
見習いとして二人をサポートする役回りを務めることになったんだけど…

ニッカリさんは頼れる落ち着いたリーダーという感じで好ましいんだけども、
マナブは何かあんまり好きじゃないな笑

こんな人がメインキャラの一人としてこれから一緒にやっていくことになるのか……

と思ったら、序盤から衝撃の展開。

ニッカリやマナブを始め、主人公まで
次々とルシファー軍配下のアドラメレク達に殺されていく……!!

に……ニッカリさぁぁぁぁん!!

そういやこのゲーム、女神転生だったな……

と思いながらもいきなりこんなえげつない展開は衝撃的で、
あまり好きじゃなかったマナブもいざ死んでしまったら寂しく思えてしまった始末。

さて、ここから本格的な物語が始まったようで、
ニッカリとマナブという庇護の元生きてきた二人も、自らいっぱしのハンターになるべく
錦糸町という街を抜けることになる。

前作にも出たスカイタワーに行ったり、上野や妖精の森へと行ったりするようになるんだけど…

アドラメレクもそうだけど、天使エンジェルだったり大天使ハニエルだったり、
『えっ、もうこんなやつらが出てくるの?』という感じで初っ端から大物キャラが続々と出てくる。

前作のヒーロー、フリンやイザボーまで。

15歳の駆け出しの少年少女が関わるにはまだ早すぎる気が……

その後、幽霊のナバールが仲間に加わるんだけども。

少年少女に幽霊か……

どうも頼りない。

しかしその後ノゾミという大人っぽい(あくまでナナシ達に比べてだけど)人が仲間に加わって、
ニッカリさんほどではないけどようやくしっかりした人が加わったな、という感じ。

それにしても、今作はどうも選択肢の内容がエグいものが多い気がする。

「フリンか…会ってお話とかしてみたいよね」 → 『いや別に…?』
「ナナシ オメェからも何か言ってやれ」 → 『やなガキだな』
「オレの声が聞こえるか…?」 → 無視する
泣きじゃくるアサヒに対してどうしますか? → 放ってこの場を去る
「…ナナシ すまねぇ あいつのこと頼めるか…?」 → 『考えとく』とお茶を濁す

何でこんなイヤな性格の選択肢がちょいちょい入っているのか、
ユーザーを笑わせようとしているとしか思えない笑

多少冒険慣れてきた頃に、ようやく仲魔もそこそこ増えてくる。
レベル12、ケンタウロス、カブソ、マンドレイク、ゴブリン、ピクシー……
まだまだ序盤の悪魔ばかりだけど、それでもマナブをこの時点ですでに上回っているという。

難易度的には、いつものような辛口ではあるものの何とか淡々と進めてはこれたけど、
最初にぶち当たった壁がオーディーンの差し金で戦うことになった国津神スクナヒコナ戦

戦闘曲がすでに普通じゃなかったけど、こいつは苦戦したなあ。

スクナヒコナを何とか倒せた後、クリシュナという悪魔っぽくないやつを復活させてしまったんだけど、

…おいおい大丈夫なのか復活させちゃって?

ポポロクロイス物語2みたいに自分がしでかしてしまった罪の贖罪をする旅に出るとかになるんじゃないだろうな??

と思ったら案の定そういうことになってしまったんだけども。

大人(というか悪魔だけど)に利用されてしまった少年少女の図か……えげつないねえ。

その後、銀座や新宿を経て、主人公達は龍王シェーシャという巨大な化け物とも退治できる強さを身に付けていく。
(クリシュナのシェェェシャ……という言い方が凄く頭に残っている)

仲間もハレルヤガストントキが加わり、
女神転生シリーズの中では未だかつてないほどの大所帯パーティーになっていく。
(ちゃんと男女比のバランスが取れているところがニクい)

印象的には、ノゾミがニュートラル、ハレルヤがカオス派、ガストンがロウ派かな?
トキは……読めないな、所属的にはカオスっぽいけど……

真・女神転生4 FINAL画像3

再び訪れた妖精の森では今後のシナリオの確信めいたところに話が及んでいく。

ダグザの母であるダヌーは他者と育む自由を求めていて、
ダグザは何者にも依存しない自由を求めていて、
それはどちらも神の秩序にも悪魔の混沌にも偏っていない……
いわばニュートラルルートである中庸の道なんだけど、同じ中庸の道でも二つに分かれている、と。

個人的にはダヌーの道が好ましいな。

ダグザの道は自由だけど孤独だよね。

それから二回目のシェーシャ撃退を経て、オーディンとの戦闘へ。

力の差を見せつけてきて、一撃で壊滅状態になり、
「お前たちの力はこんなものか」的なことを言われるんだけど、
今回のオーディンはかなり嫌らしい存在だった。

このあたりに来て、遂にニッカリさん達を殺したアドラメレクとの再戦になる。

ドラクエ5のゲマを思い起こすけど、遂にこいつを打倒する段階まで上り詰めたのか……

しかし、オーディンとかと比べたら小物臭のするこいつだけど、思った以上に強かった。

初期のニッカリさん達のメンバーでは悲しいながらどうあっても殺されるしかない相手だったんだなと思った。

5つの寺を回って「賢瓶」を封じる展開ではトキの挙動が見もの。

最初は冷たく、人間味のないやつだと思っていたけど、わりとツンデレキャラだったのね。

隠そうともせず主人公への好意を明かして、やきもきするアサヒの図も面白いけど、
一体トキは主人公の何が気に入ったのかは不明。

マツコ…もといミロク菩薩もオーディン同様嫌なキャラだったなー、
仮にも菩薩と呼ばれている存在なのに、あんな扱いしてもいいのだろうか……

フリンシェーシャはかなりインパクトがあって、ホラー要素のあるイベントだった。
あれは未だに頭の中に姿が残っていて、絵的にトラウマ。

と、あれこれイベントをこなし、
遂に話は多神連合討伐、そしてニュートラルルートへの道が開かれるようになる。

ロウルートのトップ、カオスルートのトップ、多神連合のトップを倒し、
これですべてが終わって平和になり、物語は終わった……!!

と思ったら、それで終わりじゃなかった。

どういういきさつでそうなったのか、今度は全知全能の神を倒すという話に。

この展開は正直急で戸惑ったなあ、
何かされたわけでもないのにいきなり倒しに行くってどうなのか。

このラスボス中のラスボスは、さすがに相当苦戦した。

変身前はあっという間に終わるんだけども、変身後がかなりの強さ。

何度トライしたかな……仲魔の悪魔達も一新して、
レベル99主人公、レベル93のサマエル、レベル99のシヴァ、レベル99のミトラ菩薩、
控えとしてレベル97のイナンナなどをもってしてようやく倒せた相手だった。

レベル99でも油断すると簡単にやられるって一体。

今作は、カオスルートやロウルートに行くのは凄く簡単で、かつ分かりやすかったけど…

どうも今作はニュートラルルートに行くことが前提で、そのどちらに行くかを考えさせられるつくりになっていて、
カオスルートとロウルートは初めからキワモノ扱いで、
特別好きな人はそっちのルートもどうぞ、みたいなオマケ的な印象を受けた。

正直、自分がクリアしたニュートラル絆ルート以外は全然魅力を感じなかった……
この点は本作の数少ない不満点の一つだったな。

ただ、快適なプレイ感とキャラクターに魅力を感じた点(特にアサヒとナバール)、
程よい女神転生感と深みあるストーリーは良かった。

「だが、仲間を想う力は誰にも負けていない。それだけはこのナバールが保証するぞ!」
「見方次第で過去も… 思い出だって変えられるぞ?」


いじられ役だったはずのナバールがたまにめちゃめちゃニクいやつになる。

あと、エンディングで見れた主人公の笑顔……

主人公の笑顔が見れた女神転生なんて本作が初じゃなかろうか。

そして、アサヒは生きていてほんとに良かった……

いくら女神転生とはいえ、彼女を死なすことは許さん!


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