54.無限航路(DS)レビュー

無限航路画像1

発売日:2009年6月11日

開発元:ヌードメーカー

発売元:セガ

定価:5,500円(税込)

個人的ランク:A+

大まかなストーリー

宇宙に出ることを禁じられた惑星ロウズ、
そこに暮らす少年ユーリは、自らの胸のうちに潜む衝動に逆らえず、
ついに法を破り宇宙へと旅立つことを決意する。

“打ち上げ屋”と呼ばれる人物に連絡を取り、毎夜夜空を見上げ迎えを待つユーリ。

ある夜、彼の目の前にとうとう迎えの艦が降り立つ。

宇宙へと旅立つことに成功した彼を待ち受けるものとは?

無限航路画像2

本作の見所

・宇宙を舞台にしたロマンのある壮大なストーリー。まさにドラマのような感覚でドラマチックな展開を楽しめる。

・キャラクターが敵味方共に一人一人個性が強く、魅力的。

・選択肢によってキャラクターの生死を分けるほど大きく物語が変わっていく幅の広い展開。

・戦闘ユニットとなる艦船はカスタマイズができ、自分好みのチューンナップを行うことができる。

◆無限航路の総評◆

アニメをそのままゲームにしたかのようなSF系RPGで、ガンダムを彷彿とさせる作だが、
長所と短所がハッキリとしていて、好みが大きく分かれそう
個人的には非常に楽しめたが、『凄く面白い!!面白いんだけど、惜しい!』という印象だった。
長所は、魅力的なキャラクターで彩られた壮大でドラマチックなストーリーだが、ここのみを抽出すれば間違いなく名作と呼べる魅力があると思う。
逆に短所はシステム的なとっつきづらさで、一部タッチペンじゃないと動作しないなどUIが悪かったり、
小難しいシステムや難易度の高さ等で、馴染むまでには結構時間がかかった。
そういった意味では序盤が一番の壁かもしれないが、ある程度慣れた中盤以降からは抜群の面白さを堪能できた。

大きな戦闘では手に汗握ったり、また大きなイベントシーンでは涙してしまったことも。
攻略無しでは下手すると詰みかねない場面も出てくるが、リメイクして出してほしいほど楽しく、そして惜しい一作だった。
プラットフォームもDSという古い環境なので、尚更リメイクし甲斐はあると思うのだが。

◆無限航路の音楽◆

まず最も印象的なのは、BGMとは違うかもしれないが、終盤間近の大きなボス戦で流れる主題歌
戦闘用BGMで歌が流れるというのはありそうでなかなか無く、斬新で、鮮烈に印象に残っている。
他は、デュー・ルーとのおどろおどろしい戦闘曲
これはデュー・ルー戦そのものが印象深かったため、特に頭に残った。

基本的にSFっぽさを盛り上げるテーマが多く、物語の雰囲気とマッチしていて全体的に質は良かったと思う。
BGMとは違うが、敵の戦艦を撃沈させた時に入るボイスも『おっ』となったポイント。
古いゲームなのでフルボイスとはならなかったが、アニメ調の作の性質上、主題歌やボイスの挿入がよくマッチするゲームだった。

◆無限航路のシステム◆

ジャンルで言えばRPGだが、色々と変わった独自のシステムが多く、慣れるまでは多少時間がかかる。
基本的にキャラクターを操作するという概念は無く、
項目を選択するだけで宇宙(一般的なRPGで言うフィールド)を移動したり、星(一般的なRPGで言う町)の中を移動したりする。

戦闘は星と星の移動中に、ランダムでエンカウントが起こる。
戦うのは主に人間ではなく艦船で、クエストをこなしたり敵を倒して得たお金で艦船を強化していく。
艦船はレベルの概念は無いが、クルーとして艦船に配属させるキャラクターはレベルや能力値の概念があり、
この能力によって敵との戦いやすさは大きく変わっていく。
一番独特なのが戦闘シーンで、リアルタイムで行われ、『前進・後退・攻撃』コマンドをその都度選択して敵との間合いを計りながら戦っていく。
戦闘キャラとなる艦船は様々なステータスがあり、クルーも色んな技能を持っているので、最初は項目が多すぎて何が何やら掴みづらいと思う。
そのあたりのゲームの基礎知識は、ゲームを有利に進めていくために予め必要となってくる。
艦船は星で買うことが出来るが、艦船により能力やカスタマイズ幅は大きく異なっていて、個性がそれぞれある。
クルーとなるキャラクターも数多く現れ、行動や選択肢によっては仲間になったりならなかったり、存在そのものが現れなかったりする。

クリアタイムは、自分は40時間強だった。

ちなみに、DSという古い仕様の理由もあるだろうが、一部タッチペンでしか動作しない箇所があったり、UIが悪い部分が多々あるところが残念。


※これ以降、ネタバレを少し含みますのでご注意下さい。

◆無限航路の展開◆

初っ端から、アニメーションムービーが挿入されて物語が始まる。

DSの画質なので正直ムービーの質は良くないけども、
逆にDSの時代としてはかなり頑張った方じゃないかな?と。

主人公は少年ユーリ、宇宙への憧れを抱いていて、
広大な宇宙の海まで飛び立てるまで紆余曲折を経る壮大な物語が繰り出される…

のかと思ったら、打ち上げ屋のトスカの力を借りて一気に宇宙へ。

このゲームは戦闘がかなり特殊なので初めにチュートリアルが挟まれるんだけど、
正直あまり覚えていなかった(^^;

突飛なシステム過ぎるためかなかなか頭に入っていかず、
久しぶりに説明書の力を借りたくなったほどだった。

惑星一個が丸々町のような存在で、星と星の移動中にエンカウントがある…と。

惑星に到着すれば、戦闘ユニットとなる艦船のHPは完全回復する…と。 ふむ。

イベントは主に惑星の酒場で起こるようで、新しい惑星に到着したらまず酒場に行ってみる、という、
ひとまず基本的な流れは頭の中に入ってくる。

とあるところでトーロというチンピラっぽいやつとのケンカイベントが起こるんだけども、
育ちの悪そうな悪役っぽいやつだなーと思って最初は好きじゃなかったんだけども、
後になってそいつがむしろ好きなキャラになるとはその時は思いもしなかった。

そのトーロが仲間に加わり、その後初のボス戦。

そして初っ端からぶち当たった壁。

戦闘システムをちゃんと理解してないまま挑んだためこれはキツかったなー、
実際5、6回ほどチャレンジしてようやく倒せた次第だったけど、
向こうの攻撃はガシガシ当たるのにこっちの攻撃はミスばかり。

何回デラコンダのおっさんの戯言を聞かされたことか。

何とか撃破してロウズから飛びたてた後、更なる広大な冒険が待っていた。

妹?のチェルシー、ププロネン、ガザン、ティータ、カリオ…と仲間が増えていき、
艦船にちょっとずつクルーが増えてきて、誰をどこに配置するかの楽しみが生まれるようになってきた。

わりと物語の進行とは関係なく加わる感じの仲間も多いんだけど、
そんな仲間でも酒場で会話シーンが入ったりするのは面白いところ。

さて、話はティータのお兄さんが海賊にスパイとして潜入していて、
接触を試みようとしているという面白い展開にまで進んだ。

が、ここまで進んでもまだ自分はこのゲームを把握しきっていなかった。

戦闘中、たまに攻撃がしょぼくなることがあって、
いつもはレーザーが出るのにそれが出ず、ちっちゃいのがピュピュッと出るだけで
何でなんだろう?とずっと疑問に思っていたんだけど、知り合いに聞いてそれが氷解。

どうやら射程距離外にいたかららしい。

自分はむやみに前進ばかりで体当たりしそうなほどいつも接近していたから…

よくこんなんでデラコンダを倒せたもんだ笑

3章のボス戦では2連戦が突破できず、ついに攻略サイトの力を借りてしまった。

1回目のボス戦の後、引き返すことができるだと…?

連戦じゃなくても良かったのか…これは攻略サイト見ないと分からなかった!

このゲームはこういう場面が結構あって、
連戦っぽいのも一度引き返してHPを回復させてから次の戦いに挑むことができたりする。

ゲームに慣れてきたのか、4章、5章あたりはスムーズに進み、6章へ。

このマゼラニックストリームのあたりは雑魚敵が非常ーに強かったなあ、
慣れたはずの自分の攻撃が全然敵にダメージが与えられず、
ギリアスがいなかったら到底先には進めなかった…

8章では、物語が大きく分かれる重要な二つの選択肢が求められる。
ネージリンスにつくか、カルバライヤにつくか…
双方共に親しい人達がいたので、これはかなり考えた。

が、キャロがいるからという理由でネージリンスルートを選択。

以降、青年編へと続いていく…。

少年編は、最初のうちはゲームに馴染むまでが大変で、正直最初の方は投げ出しそうにもなったが、
ゲームに慣れて素直にストーリーを楽しめるようになってきてからはだんだんと夢中になってきた。

特に印象的だったのが、ヤッハバッハの存在が初めて明かされた時。

恐るべきヤッハバッハの艦隊の数と戦闘能力の高さに、プレイヤーである自分自身も絶句してしまった。

未知の侵略者の脅威、自分の環境が脅かされていく様が肌で感じられる、素晴らしい展開だと思う。

「少し揺れたか」「そのようで」

はヤッハバッハの凄まじさが集約された名シーンだったな。

無限航路画像3

青年編。
攻略を見ていたので、一応青年編の存在を認識してはいたが…
まさかの時の流れに驚いた。

あのイケメン美少年だったユーリが…
まあ、あれもイケメンとも言えるかもしれないけど『ダレコレ?』ってくらいマッチョなお姿に…

そもそも骨格が違うんじゃ…ってくらいの変貌で、最初はまったくしっくりこなかった。

というか最後までしっくりこなかった。

一応新たな環境を構築してはいたものの、
少年編で大勢のクルーを乗せた賑わいは過去の彼方へ…
青年編の初期メンバーはかなりの少人数でクルーの配置としても物寂しい限り。

しかし、かつての仲間だったトーロ達との合流、
お互い見違えるほど成長して、無事を確認し合って号泣したシーンは
不覚にも自分も涙してしまったほどだった。

まさかこういうSF系のゲームで泣ける作があったとは…

すでにゲームのやり方は熟練していたので、
青年編に入ってからも特段つまづく箇所はなく、淡々と進められた。

しかしこのゲームは、一つ誤った選択肢を選んでしまうだけで
唐突にゲームオーバーになってしまうことがある。

ダンジョンを歩いていたら突然下に落ちて死亡とか
壮大な大冒険の顛末がコレかとむしろ笑ってしまう最期。

ファミコンのドラゴンボール大魔王復活みたいだ。

セーブはかなりマメに行っていないと泣きを見る羽目になってしまう。
(とはいっても元々辛口のゲームでいつ死ぬか分からないのでこまめに行ってはいたが)

そして、あれだけ頑張ってキャロに尽くして…もとい仲間にするべく頑張っていたのに、
何を間違ったかキャロは味方じゃなく敵になってしまった。

このゲームは一つの選択、自分の行動次第で
現れるor現れないキャラ、生き残るor死ぬキャラ、味方になるor敵になるキャラが分かれるという
シビアかつリアルな面がある。

ネージリンス軍に着くところからやり直したいくらいだったけど、
相当遡ることになってしまうので、泣く泣くそのまま進めた。

その後、本作最大の難関となった4章のジーマ・エミュルートへと突入。

元々難しめのルートであることは知っていたが、
良い艦船が手に入りそうなのと、ゲームにはすでに馴染んでいたので何とかなるだろうとの慢心でこのルートを選んだんだけど、
まさかここまで苦戦を強いられる章になるとは思いもしなかった。

危うく詰みそうになった、デュー・ルーとの度重なる戦い…!!

艦船は強化できないし、後ろには引き下がれないし、
文字通り背水の陣の中で現れたデュー・ルーの艦隊の強いこと強いこと!!
(しかもこの戦闘BGMがこれまた暗鬱とした自分の気持ちを代弁するかのような、おどろおどろしいテーマだった)

10回以上死んで、何とか倒して、歓声を上げたのもつかの間……

同じやつと3回も4回も戦わないとならないという地獄の展開に。

強化できる惑星に辿り着いて、ようやく少しは戦いやすくなったものの、
正直ラスボス以上に苦戦した箇所だった。

それから、物語はクライマックスに向けて徐々に盛り上がっていく。

ヤッハバッハとの壮大な戦いのさなか、敵だけじゃなく味方も命を落としていく……

戦死するというのが、無骨ながらもリアルで重々しい展開だった。

特に印象的だったのが、
キャロもそうだがユズルハ・メイヨー、そしてロエンローグとネスのイベント。

特にロエンローグのイベントは切なく、今考えても涙しそうな展開だった。

味方軍だけではなく敵軍にもドラマがあり
敵軍の人間にも血の通いが感じられるところが本作の良いところだと思う。

そして、恐らくは本作のトップクラスの見せ場だろう…ライオス戦。
BGMがかなり特徴的で『おおっ』となったこの戦闘だけど、
もう少し尺の長い曲だと良かったのと、ループ処理がもっと綺麗だと良かったな。

しかしこんな壮大なテーマでも相応しい……
思い返せば序盤こそおぼつかなったものの色々とドラマのあったゲームだったなあ。

ラストに関してはちょっとあっけなく終わった感があったけど、
本気でリメイクされたら嬉しい、そうじゃなくても次作があってもいい一作だったと思う。

プレイする人はちょっと選ぶかもしれないが、
ハマる人は確実にハマるポテンシャルを持っている一作。

最後に、個人的に好きだったキャラは、
青年編(ここ強調)のチェルシー、
少年編(ここ強調)のティータ、
トーロ、
ダンタール、
あとはやっぱ少年編(超強調)のキャロ、
何気に空気読まない発言するジェロウ・ガンも好きだったなあ。


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