55.世界樹の迷宮5(3DS)レビュー

世界樹の迷宮5画像1

発売日:2016年8月4日

開発元・発売元:アトラス

定価:6,998円(税込)

個人的ランク:B+

大まかなストーリー

理想郷と呼ばれし世界の物語り

大地に住む人の仔は言う
そこにはこの世を支配する権力があると…

知恵深き魔法の徒は記す
そこでは世界の謎が解明されるであろうと…

猛々しき武人の末裔は語る
そこでは世界最強の武を受け継げると…

草原を旅す祈りの民は紡ぐ
そこには莫大な金銀財宝が眠っていると…

それぞれの民がそれぞれの伝説を追い
世界樹へと集う

あらたなる冒険を求めて…

世界樹の迷宮5画像2

本作の見所

・シリーズを通した雰囲気、戦闘の面白さ、安定感が健在。馴染みの世界樹の世界を楽しめる。

・新たにボイス機能を搭載。より臨場感のある仕様となった。

・髪や目の色を変えられるようになったりと、より凝ったキャラメイクができるようになった。

・二つ名システムの搭載。職業の個性を殺さずして新たな個性を加えられる仕様となっている。

◆世界樹の迷宮5の総評◆

世界樹シリーズはナンバリングタイトルは2以外一通りプレイしたが、正直、物足りなくもそこそこ面白い…という微妙な評価。

安定の世界観、辛口な戦闘の面白さ、キャラ育成の楽しさ、地図作成の楽しさ等はいいのだが、
新たな新機能であるボイス機能や凝ったキャラメイク、二つ名システム、料理システムなどが、全体的に大したプラス要素ではなかった上に、
原点回帰とも感じられる初期のようなオーソドックスなストーリー、
3や4であった海や大地などのフィールドが無くなったため奥行きが狭まって、どちらかというと前作までより後退した印象を受けた。
(逆を言えば前作がかなり良かったのだが)

RPGとしては80点だが世界樹としては50点、という感覚だろうか。

面白かったといえば面白かったが、粗さが目立ったのと凡庸な印象で、期待よりは下回ったというのが正直な感想。

◆世界樹の迷宮5の音楽◆

今回もさすがの古代サウンドで、粒ぞろいの名曲ばかりだった。

まずはステージのボスのテーマ。2分25秒あたりからが好きだが、壮大でいかにも熾烈な長期戦を思わせるかのようなテイストが良かった。
あとはこれまた壮大な戦闘曲で、象との闘いで流れた曲(適当)。コーラスが壮大感やいかにも大物と戦っている感を醸し出していた。
異質感とSFっぽさを感じる6階層の戦闘曲もスルメソング。

ダンジョンでは、2階層の旅っぽさを感じるテーマや、3階層のおどろおどろしい割に歌謡曲っぽさを感じるテーマが面白かった。

何気にほんのりとした安らぎを感じる街の音楽も好き。
これを聴くと無条件で宿屋の女の子の「よくぞ戻られた勇者たちよ…なーんて♪」という台詞を思い出す。

今回の戦闘曲は、先制攻撃時に独自のイントロが加わるのが良かったと思う。
ボイスは臨場感が増したという意味ではよかったが、フライングで入ることがあり、
専用のボイスが流れてダメージを食らう前に瀕死になるのが分かってしまったりしたのがマイナス点だった。

特に印象に残らなかった曲も多いが、全体的に旅を盛り上げる安定の良曲ばかりだったように思う。

◆世界樹の迷宮5のシステム◆

これまでのシリーズと変わらず、5人の主人公のキャラメイクを経て一つの街を拠点に3Dダンジョンを冒険していく形式。
とっつきやすさや辛口の難易度は相変わらずで、タッチペンで冒険した地図を作成する醍醐味も健在。

ただ、3作目や4作目であったフィールドの概念は失われ、一つのダンジョンを冒険するだけの1作目のようなスタイルに立ち戻った。

新しく加わった二つ名システムは一つの職業の中で新たな個性を追加できる要素で、
前作までにあったサブクラスシステムのような自由度は失われたが、職業の個性を殺さず新たな個性を与えることには成功したように思う。

マイナスの新要素だと思ったのが料理システムで、冒険中素材を獲得してキャンプして料理を作れるのはいいのだが
作り勝手が悪い上に戦闘中では使えず、売ることもできないので
持ちきれなくなったら無駄に食料を捨てる羽目になってしまうという、何とも後味の悪い要素だった。

あと、冒険中に至るところに旅のイベントに遭遇するのは良かったが、遭遇する場所がいつも隅っこなので読めてしまったり、
どのイベントもスキルを持っていれば良い結果になり、持っていなければ悪い結果になるという画一的で意外性がないものばかりで、
面白味に欠けたようにも思えた。

クリア時間は、普通にクリアするだけであれば50時間前後くらいだろうか。


※これ以降、ネタバレを少し含みますのでご注意下さい。

◆世界樹の迷宮5の展開◆

まずはゲーム難易度の選択……強気にハードをチョイス。

そしてパーティー編成をするんだけど、自分は

フェンサー(五人のリーダー的位置付け。手数で攻める剣士アタッカーの位置付け)、
ドラグーン(兄貴分的立ち位置のナイスガイ。壁役で、守りを一身に引き受ける)、
ハーバリスト(今作はちゃんとあった回復役。幼い少女っぽい風貌)、
ウォーロック(やっぱり必要な強力な火力を期待できる魔法使い、真面目な女性の位置付け)、
ハウンド(タカや犬を味方として使えるのが強い狩人。お姉さん的立ち位置…と見ている)

と、キャラの性格やグループ内の立ち位置まで考えて決めた。

前衛が男2人、後衛が女3人という少し昭和思考な感じがするが……まあいい。

早速冒険を開始すると、第一階層はもはやお決まりのように森林のステージ
まあ『樹海』だから森林で当たり前なんだけど、
この流れは定番化し過ぎてきた気もするな……

そして、これまたお決まりのように地図を完成させる試練を受けることに。

この序盤の展開はもう慣れたものなので、特につまづくことなく先へ進んだ。

序盤をプレイした感想は、
今回は食材を利用してたき火で調理が出来るようになったのが新しいポイントで、新鮮さを感じた。

ただ、これは後々になって気付いたんだけど、実際はほとんど使用する機会が無い……

戦闘中に使用できないというのがまず大きい。

戦闘中に食事をするのはどうかということで出来ない設定にしたんだろうけど、
使い勝手の悪いシステムになってしまっていたように思う。

あと、今回は道の端っこの方に行くと至るところでミニイベントが発生するようになっていたのが良かった。

ただ、これもイベント自体は良かったけど、
良い結果になるかどうかがスキルの有無だけで振り分けられるようになっている、
イベントが起こる箇所が大体決まっているので驚きがない、という中途半端な印象を抱いた。

スキルの有無である程度有利不利は現れるものの基本的には選択肢次第で結果の良し悪しを決める、
道の端っこだけじゃなく途中でも起こるようにする、
などがあれば、なお冒険の臨場感は増していたように思う。

あとは、良くも悪くもいつもの世界樹の面白さだったかな。

先制攻撃をした時には専用のBGMが流れ出したのは最初感動的だった。

FOEの猛る梟獣は、見た目は愛嬌あって可愛いのに裏腹に凶悪な強さ

一階層のボスはチビゴーレムを倒しても倒しても次々呼ばれて結構苦戦したけど、何とか撃破。

第二階層では、まず苦戦したのがキリンのFOEの箇所

動きを読まないと一瞬で壁際まで走って距離を詰めてくるので、
時折ぶつかってしまう羽目に(しかもこの段階では強過ぎて倒せないのでリセット…)。

8Fの象を避けながら進むのは、わりと余裕で突破出来たものの
巨体から逃げ回るのはなかなかにスリルがあった。

二階層のボスも苦戦はしたものの、何とか一回目で突破。

倒せないようで何とか倒せるようになっているこの作の戦闘バランスはほんとに巧い。

第三階層はこれまでとは一変しておどろおどろしい墓所のステージ。

一見すると不気味だけど、
BGMが「俺のォ……古傷をォ……」とか始まりだしそうな歌謡曲っぽいテイストで笑えた。

ここのFOEが死者で、追ってはきても陽の光に当たると消えてしまうので
それを利用して突破するからくりは墓所ならではのもので、なかなかに面白かったな。

毒のフィールドはウォーロックのレビテーションの力で難なく突破。

ボスのアンデッドキングはまたも苦戦こそしたものの、
弱ってきたら身体だけへなったまましっかり宙には浮いていて
それが翼によって無理矢理宙に浮かせられているみたいになっていて笑ってしまった。

世界樹の迷宮5画像3

第四階層は水晶を壊した音で反応してFOEが動くというのが面白いところ。
ワープしてFOEをまく展開も面白かった。

でもここで一番苦戦したのはボスと戦うためにボスに近づくところだったかな。
回り込もうとすると目ざとく振り向いて攻撃してくるので戦う前から瀕死に……

無理矢理距離を詰めたけど、二回目やっても瀕死になる自信がある。

第五階層は宙に浮いて移動出来るのが面白いダンジョン。
毎回飽きさせないように工夫してあるのがいい。

ここでの苦戦場所は何と言ってもラスボス

クリア時のステータスが

一人目…HP22、MP0
二人目…HP37、MP6
三人目…HP76、MP24
四人目…HP184、MP9
五人目…HP106、MP47

というズタボロな状態。

使えるアイテムは全て使い切り、
あと1ターンや2ターン持ち堪えられたら倒せなかったかもしれない……

歴代のボス戦でも五本指に入るかもしれないほどのドラマチックな勝利だった。

第六階層はひとまずボスのところまでは辿り着けたけど、
とにかくワープ地獄で酷いところだった。
クリア後とはいえあそこまでめんどい仕様にする必要があったのだろうか…

制作陣から『どこまでやれば心が折れるかな?』と試されている気分だった。

それはさておき、振り返ってみると今回もそれなりの良作だったように思う。
空振りした調理システムや、シナリオの弱体化などの不満点もあったが、
凝ったダンジョン、ギリギリのバランスの難易度など、純粋にハードなRPGを楽しませてもらえた。

音楽も安心して聞き惚れられる古代サウンド。

何を守り、何を新しくして攻めるかは難しいところだと思うけど、次回作も間違いなくプレイすると思う。


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